それは好機




「きゃああああああああああああ!!!!!!」


朝からけたたましい叫び声が、アルカパの宿屋に響き渡る。
その叫び声に起こされたは、のっそりと上体を起こす。
いかにも寝起きらしいその顔は、いまにも眠りそうだった。
因みにはいまだ夢の世界に居座っているようだ。


「ハクション!ハクション!!うう、頭がいた「ー!!!ー!!!」


パパスの台詞は、朝っぱらから元気のよいビアンカにより遮られた。
今の声で、完全には目が覚めたらしい。
因みにはいまだ夢の世界に居座っているようだ。


「どうやらカゼをうつさ「すっかりお化けたいじにいくの、忘れてたわ!」


パパスは、ビアンカから台詞をいうチャンスすら与えてもらえない。
哀愁漂うパパスの後姿を尻目に、ベットからのっそり立ち上がる。
少しの沈黙の後、ビアンカが突然金切り声を出す。
今日のビアンカはヒステリックだなぁ、とまだ完全に働いていない
脳内では思った。
因みにはいまだ夢の世界に居座っているようだ。


「おじさま!!お風邪を引いたんですか!?!?」


ビアンカが失礼にも目を輝かせながらパパスのところへマッハで駆け寄り
パパスのがっちりとした手をとりいう。
パパスはただのカゼとは思えない、重症患者のような顔で、コクリと頷く。


「まあそれはいけないvでは此処でしっかり風邪を治してくださいなv父のせいですみません・・」


とはいうものの、ビアンカは満面の笑み。
パパスは悲しくなりながらも、コクリと頷いた。






「今夜こそ絶対いくわよ!!いいわよね!?!」
「・・・・」


無言は肯定。とビアンカはとって鼻歌交じりに階段を下りていった。
嵐のような彼女に少々言ってやろうかと思ったが、朝は低血圧なは何も言えずにいた。
因みにはいまだ夢の世界に居座っているようだ。














「それにしても・・・お化けとか、そっち系の話、あたし苦手なのよね・・・」


3人で夜に備えて武器をそろえている中、がポツリと呟く。
因みに、リアが起きたのはがおきてから5時間後。
存分に寝たは珍しくも朝から元気で、ちょうど町へ出かけるところだった
とビアンカについていく!とはいっていた。


「大丈夫よ、のコトは私が守るわ!」
「頼もしいわビアンカ姉さまvv」


なんて理想的な姉妹なんだろう・・・
とビアンカのやりとりを、遠目に見つめそう思った。


「私、みたいな妹欲しかったわぁ・・・」
「あたしもビアンカみたいなお姉さんが欲しかったわ!どっかの兄なんかより」
「もしよかったらさしあげるけど」
「ちょっと!どさくさにまぎれて何いってんのよ!」
「そっちもね」

















「ねえ?」


が新しい武器に慣れるために軽く素振りをしていて、パンチの練習台に
を使おうとしていたところに、ビアンカが声をかける。
するとはすぐにやめて、ビアンカの言葉を一言も残らず聞き逃すまい
というくらいの勢いのまなざしを向けている。


「今から寝て、夜に備えるって言うのはどうかしら?」
「あ、それいいわ!さっすがぁ!」


と、いうわけで休むことにした。
冒険はこれから・・・。