それは暗闇





お化け屋敷・・・失敬。レヌール城を目前に、困ったことが起きた。
なんと、扉が開かないのだ。
正々堂々真っ向から立ち向かったというのに・・・。はかなり気を悪くした。


「フザけんじゃないわよ・・・。人が正々堂々直球勝負を挑もうとしてたのに・・・」


などとぶつぶつ呟いている。先ほどまでは、怖いといっていたのに
はそれを軽く流して、何処かは入れそうな場所を探すため
城の周りを一周するといった。
するとビアンカもついていく、といってについていくことになり、残るはだけとなった。
いつものなら当然ついていくだろうが、今は不機嫌だ。
返答は、いかない。だった。
















「もぅ・・・本当にお化けなんているのかしら?あいつらから、力ずくで奪っちゃえば
 よかったわ・・・・」


などと、階段に腰掛けながら怖いことを呟く。此処にあの少年達がいたら
きっと3日は外に出てこない。


「・・・・あら?」


後ろでギィ・・・と音がしたかと思うと、なんとさっきまで蹴っても叩いても呻いても喚いても
開かなかった扉が、開いているではないか。
押し寄せる好奇心に、は逆らえなかった。


たち・・・あとでくるわよね」


根拠の無い確信を胸に、レヌール城へと入っていった。




ゴゴゴゴ・・・・ドーン!



凄まじい轟音が鳴り響いたと思うと、ピカッと雷が光った。反射的に耳と目を塞ぎ、小さく悲鳴を上げる。
雷は一発だけで、それ以降はならなくなった。チラリと後ろを振り返ると、扉が閉まっている。
急いで扉へと駆け寄り、ガチャガチャとノブを回す・・・が。


「なっ・・・あ・・・あああ開かない!」


扉はビクともしない。
えっえっ怪奇現象!?いや、心霊現象!?
口をアボーンと開けてガチャガチャドアノブを回す
まるでトイレからでられなくなった時の焦りようだった(マニアックな例え・・・)







「たーすけてー!!!!」


















ん?
とビアンカは足を止める。
何か・・・・悲鳴・・・いや、SOSが聞こえてきたような。


とビアンカは、城の裏手にあった螺旋階段をのぼり、どうにか城に侵入した。
(きっとどこかで、とも合流できるだろう。という安易な考えでを呼びに戻らなかったとか)
まではいいのだが、突然雷が鳴ったと思ったら、扉が閉まってしまったのだ。
は焦ることなく、至って普通に"先に進むしかないね"といい、黙々と進んでいった。


10歩ぐらい進んだそのときに、SOSが聞こえたのだ。
心なしか、の声にも聞こえるような・・・。


の悲鳴よね・・・?」