初めて護りたいものが出来た。その護りたいものは、世界で一人しかいない
俺の愛する。
護りたい
「な〜?」
「ん」
食い入るように雑誌を見つめているが、気のない返事を返す。
ヘンリーはそれに少し残念がりながらも、話を続ける。
「俺がを護るから」
「・・・は?」
雑誌から目を離し、本気で訳わからない。とでもいいそうな顔でヘンリーを見つめる。
「だ、だから・・・俺がを護るから」
「ヘンリーは父親なんだから、子供を護りなさいよ。」
「コリンズ」とが呼ぶと、それまでスライムと戯れていたコリンズが、必死な顔をして
の元に駆け寄り、なに!?ははうえ!?と声を弾ませて尋ねてきた。
コリンズを無造作に抱き上げ、ヘンリーと目を合わせる。
「ほら、こんなに可愛いコリンズたんがアンタにはいるんだから。」
にっと口許を吊り上げて笑む。抱きかかえられているコリンズはマジ至福っス。とでもいいそうな
顔でヘンリーを見ている。
「で、でも・・・」
「でもじゃないわよ、っていうか何で突然?」
コリンズを降ろし、が不思議そうに尋ねる。その顔もまた可愛らしくて、思わず顔が赤らむ。
結婚して結構経つのに、に対するドキドキする感情はまだ消えない。
そんなことはどうでもいいのだけれど。ヘンリーが強い眼差しをに向ける。
「を失くしたくないから」
ハッキリと、強い意志を秘めた声でヘンリーはに告げる。
は何度か瞬きを繰り返し、もう一度コリンズを抱きかかえると、ヘンリーにタックルした。
「なら、あたしもヘンリーを失いたくないから護りたい。護らせて?」
「・・・・には敵わないなあ」
照れ臭そうに頭をかき、ヘンリーは呟いた。はニッと笑い当たり前じゃん!とピースサインを送る。
コリンズもに合わせてピースサインを送った。多分、話の流れは理解してないと思うが。
こんな、日常。