「はー、本日も晴天なり・・・。」


何が楽しくてそんなに地上を照らしつけているのだろう・・・。
いずれ偉業を成し遂げる少女は、今日も輝く太陽に悪態をつく。
その姿はまさに兄にそっくりで、流石双子といったところか。

――――寝るか。

宿屋から少し離れた、芝生が心地良い場所で、はゴロリと寝転がる。
瞳を閉じるとそこに広がるのは夢幻の世界。宇宙のよう。
どっと睡魔が襲ってきては直ぐ夢の世界へトリップした。
























お昼寝日和



























「あら?・・・寝てるのね?」


が眠ってから数分して、偶然にもそこを通りかかったビアンカがの寝顔を見て
少し驚き顔になる。次いでクスッと笑うと、宿屋にかけていった。



「風邪引くよ?


宿屋から持ってきた布団をに被せ、独り言のように呟く。
一人っ子のビアンカにとって、は妹のような存在。大切にしたいのだ。
そこに、が通りかかる。相変わらず無愛想な顔をしていて、表情が読み取りにくい。
ビアンカはあら?といってを見るが、のほうはチラリと視線を向けただけで
すたすたいってしまった。


「・・・ぷっ」


思わずビアンカは噴出した。
少し離れた場所で兄も、妹と同じようにお昼寝していたのだった。


「やっぱり双子なのね・・・」


ビアンカはの元を離れ、の方へ歩いていく。


「・・・ビアンカ姉さん?」
「あら、おきたの!?」


さっきまですやすや寝てた子が、突然上体をむくりと起こしていたのだ。
ビアンカは反射的に半歩後退った。普通に考えて、後退るだろう。


「ビアンカ姉さ〜ん、今日お出かけしようよ。」
「いいわよ、でも寝なくていいの?」
「いいのいいの、さっいこう!」


は跳ね上がるように立ち上がると、町の入り口へとスキップしながら行った。
ビアンカは一回をチラリと見ると―――今だ昼寝中・・・。―――についていった。


「子供たちだけでは危ないので、此処は通すわけには行きません!」
「うっさい!」


の鉄拳が門番の鳩尾あたりにクリティカルヒットした。
門番は苦しそうに呻き、最終的には倒れこんだ。









様強し。


ビアンカはそれからについていった。なにやらは行きたい所があるらしい。
途中のモンスターは勇ましい様が退治してくれて、ビアンカは無傷だった。
いや、も無傷だが。





「ついた・・・っ!」


が小さくて質素な店を前に歓声をあげる。
ビアンカがクエスチョンマークを浮かべていると、が待っててね!と言い残し
店へと入っていった。ビアンカは言われたとおりその場で待機。


「ただいまー!」
「どうしたの??」
「これよこれ!」


そういってはビアンカにネックレスを渡した。
輝く銀色の鎖に、澄んだ海のような色をした宝石をはめたシンプル且つ可愛いネックレスだった。
ビアンカは「何これー!?」といって悲鳴に近い歓声を上げて尋ねる。
は、ネックレスだよ。といいそうになるのをグッと抑えて


「姉さんとあたしの、出会いの記念かな?」


へへ、と照れ臭そうに頬をかくを、ビアンカは思いっきり抱きしめる。
は反動で倒れそうになるが、そこらへんは気合で何とかしてビアンカを抱き返す。


「ありがとう!あたしたち、一生友達よ?」
「うん!友達友達〜、さっ帰ろう。」


帰路はビアンカがべったりで、モンスターとの戦いも一苦労だったりした。








――――アルカパ


「ねえ?お昼寝の続きしようか。」
「いいねぇ、んじゃあさっきの場所で!」















[アトガキ]
tutui様お待たせしました・・・!
ビアンカとの友情夢とのリクエストをうけたまったのですが
大分時間がかかってしまいました;
このあとオマケがありますので、お暇なかたはドウゾw短いです。




オマケ



先ほどの場所に戻ると、布団が忽然と姿を消していた。不審に思いをチラリと見ると
が布団を頭まで被って寝ていた。普通に怪しい。
が微笑みをたたえながら兄に近付いていく。
―――さん、目が笑ってません。口が不自然に歪んでるだけです。


「お兄様ぁ〜?」
「・・・・」
「あなたが被ってるのは何?3文字で答えな。」
「・・・・・・・・・ふとん。」
「死ね」