「海行こうぜ海!」


ヘンリーがぐっと拳を天に突き出し、叫ぶ。何気に乗り気なが「おーっ!」とか賛同して
コリンズが「ははうえがいくならいく!」とに引っ付いて同じく拳を突き出した。




















サマーバケーション









真夏の太陽、乙女達の水着。夏の海は賑わっている。
その海に、ヘンリー一家はやってきていた。


「で・・・なんでコイツがいるんだ」


に引っ付いているを見て、あからさまに顔を顰めるコリンズ。
それは父とて同じだった。コリンズの父、ヘンリーはのべたべたぶりをみて、顔を顰めていた。

露出の激しい、燃えるような(ヘンリーに言わせれば萌えるような)赤を基調ビキニに
サングラスをかけて、の事を抱きかかえてきた。の空いている手をしっかりと握っていた。

つまり、の子供に独占されています。

ラインハット城に泊まりにきていたとフローラの子供、は、久々の遊びに
うきうきだった。サンチョの反対など、の権力でいともかんたんに跳ね除けたのだった。


「でも・・・お父さんとお母さんは?」
とフローラはあとでくるらしいわ。」
「そっか!ならいいや!」


にこにこの笑顔に、はノックダウン寸前だった。
ヘンリーとコリンズは、の後ろでどんよりした顔で佇んでいた。


「ほらヘンリー!折角きたんだから泳ぐわよ!」
「はーい!」


を降ろし、手招きするにヘンリーは、飼い主に呼ばれた犬のようにすっ飛んでいった。
残されたコリンズは涙のたまった大きい瞳を何度も瞬きする。


「コリンズ」


ポンと肩に手を置かれ、コリンズははっと振り返る。
そこには無表情な、がいた。その後ろには、フローラが控えている。
フローラの水着は、澄んだ青空を思わせる色を基調とした水着だった。
とは正反対だ。


「あの母親で苦労しないか?」
「全然大好きだ!」
「まあ、はいい性格してますわよ?」


手を払いのけて、コリンズが叫んだ。それに頷き、フローラもに反論した。
はため息をつき、俺にはわからない。と小さく呟いた。


は?」
「あっち」


は、砂浜でお城を作っていた。しかも、細部までよくできている。
は二人の後姿を見て、何も言わずに質問を続ける。


とヘンリーは?」
「あっち」


とヘンリーは、海辺で水の掛け合いをしていた。
の表情はとても爽やかなのだが、かけてる水の量が尋常ではなかった。
ヘンリーは既にびしょぬれ。スコールにでもあったのか?てなくらいびしょびしょだ。


「じゃあ、いきましょうか」


のところへ歩き出し、とヘンリーの元へ連れて行くのを見て
コリンズの手を引きフローラが、とヘンリーのもとへ赴く。


「あら、。やっときたのね?遅すぎよ」


の姿を認めると、は水をかけるのをやめて、早速文句をふっかけた。
ヘンリーがそうだそうだー!と拳を振り上げ賛同。
全く、この親友は相変わらずラブのようだ。とは思った。決して声には出さなかったが。


、どうせなので何か勝負事をしません?」
「フローラから勝負事のお誘いなんて珍しいわね、何?家VS家みたいな?」
「そうですわ、ビーチバレーなんてどうでしょう?」
「いいわね!うけてたつわ」


こうして、唐突に始まったビーチバレー対決。




「気合入れていくわよ!」
「任しとけ!俺、頑張るから。」
「たまにはカッコいいところ見せなさいよ」
「わぁ〜ってるって」


ニヤニヤと小突きあい、イチャつく二人は、次にコリンズの頭を撫で


「絶対勝つわよ?コリンズも頑張りなさい?」
「はい!ははうえのために頑張る!」
「それでヨシ」


こうして三人はコートに足を踏み入れる。








「俺、ぬけてもいいかな?」
「駄目ですわ、あなたもたまにはスポーツくらいやりましょうよ」


にっこりと、笑顔で言われれば、は頷くしかない。
とフローラがコートへと歩き出すと、が頑張ろうね!と手を握り合いコートへ向かう。



真夏のある日の、白熱のビーチバレー対決。始まります。